異国で知る故郷の良さ

 北京駐在4年の間、出張や旅行などで中国全土を駆け巡った。沿海部の上海、北京、広州では高層ビルが聳え立つ反面、中華文明の発祥に地である中原では小麦畑が広がり、西部は砂漠か山岳地帯で、南部の雲南省や貴州省は緑に覆われた地帯であった。
 中国はじつに広大で多様性がある。人口の90%以上を占める漢民族は住みやすい平地に住み、56の少数民族は西部、南部または国境周辺に住まわされている。
 私は八代の住宅街と農村地帯の境界域で育った。毎朝太陽は竜峰山から登り、八代平野の豊かな稲作とイ草を照りつけながら、温暖で豊かな八代海に静かに沈む。山も川も野も海もある豊かな八代の大地が私を育ててくれたのである。
 中華文明の歴史は華麗で悠久であるが、一方で文明に収奪された土地は痩せ衰えている。八代は山が森を育み、清らかな水が稲作を豊穣にし、森が生み出した栄養分が海に流れて、植物プランクトンを発生させ、魚場を豊かにしてきた。農民は古来より貴重な水を平等に分配し、田植えや稲刈りを助け合って稲作文化を永続させてきた。いや、八代だけではなく、日本全国で1万年以上前にはじまった縄文時代から稲作漁撈文化が継続され、日本人の性格を作り上げてきたのである。日中両国民の差の大きさは経験してはじめてハッと気づかされた。
 絶対的権力を誇る皇帝制度によって中国の民はひどく搾取されてきたため、近親者以外は信用しない。日本は農作業を通じて助け合うことで、利他の心と慈悲の心が育まれたので、相互信頼が濃密な暖かい社会だ。
 中国人は収奪する商人気質を色濃く持ち、日本人は奉仕する農民や職人の気質を育んできた。両者が交流すると、日本人は不利な立場に置かれ、騙されることになりかねない。顔は似ていても、発想は性善説と性悪説のように異なる。騙されるまで相手を信じつづけるほど日本人はひとがよい。
 中国の将来を予測することは難しい。民主化の波が押し寄せ、大きな混乱が起こるかもしれないし、または高度経済成長を継続しアメリカを凌ぐ経済大国になるかもしれない。
 今後中国との交流は盛んになるだろう。中国ビジネスには大きなチャンスがあるが、リスクも待ち構えている。善悪とは何かを見極める「人間力」を鍛えなければ、したたかな中国人に立ち向かえない。信用をおける人はいるが、信用できない人はさらに多い。区別する自信のない者は中国人と付き合わない方がよい。

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この記事へのコメント

夏目園子
2013年10月14日 18:57
なるほど、海外生活はつらいですね。私は普通日本テレビ番組を見てストレスと解消します。あなたは日本のテレビ番組を見ませんか。
ついでに、海外で日本のテレビ番組の見る方法として、www.tv-rec.comをお勧めします。このネットによって、日本のニュースやテレビ番組はいつでもどこでも見られ、画質は素晴らしいし、暇があったら試して見ましょう。
突然コメントをして申し訳ありません。

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