ぼくのブログを読んでいる中国人

 ぼくの仕事は核不拡散と核セキュリティに関する動向調査なのだが、経験が浅いためか、講演や執筆の依頼はほとんど来ない。しかし、中国のイノベーション政策や科学技術力については、北京駐在時から盛んに情報を発信してきたこともあり、新聞に文章を寄稿したり、講演会の話が寄せられたり、メディアからの取材を受けたりする機会がある。

 名前は出さないが、マスメディアが中国の科学技術力を調査したいが、どのような問題が存在し、どのような視点で分析し、誰に会えがいいかという取材をする上でのコンセプトについて相談を受けたことが3~4回あった。もちろんぼくの名前は新聞出ない。どの新聞も中国の科学技術の進展は凄いと書きたそうなのだが(実際に産経新聞以外はそう書いている)、中国に媚を売っているのか、日本人読者に警鐘を鳴らしているのかのどちらなのだろうか。

 先週、某テレビ局が日中韓の留学生をスタジオに招いて、「技術の国際貢献度」を巡り、お国自慢バトルをやりたいが、ホットなトピックスがないかと相談を受けた。ぼくのブログを探し当てて、面白そうだと連絡をくれたのだった。
 中国はコピー天国だから、自ら汗をかいて技術開発しようという意欲が低い、国威発揚のビッグプロジェクトとカネ儲けが優先し、民生のための商品開発を真剣にやっているとは思えない、など詳しくは書けないが否定的な話をしておいた。技術開発は日中韓の産業スパイの舞台でもあり、すぐに外交問題になることにも気を付けなければならないだろう。

 ぼくのブログはほとんど日本語で書いている(一度だけ英語で書き、意外にアクセスが多かった)が、日本語が分かる中国人や韓国人も読んでいる。以前、胡錦濤の「科学的発展観」の批評を書いたことがあるが、中国共産党の雑誌がぼくの実名を出して、反論したことがあり驚いた。たかがブログ、それに日本語で書かれた外国人の評論になぜ応答するのか今でもよく分からない。

 また、中国政府の外郭団体から「中国イノベーション政策の光と影(仮称)」のタイトルでの招待講演の依頼も受けている。ぼくは北京駐在帰国後、中国に対しては「辛口」批評が多くなっているので、招待講演はないと思っていただけに少々驚いている。
 中国人は耳の痛いところも指摘されて、それを改善しようと思っているのか、それともぼくが今後あまり悪口を言わないように、やんわり「注意」するつもりなのだろうか。それとも、原子力基本法に「安全保障に資する」が付け加えられた背景と理由を聞き出そうとしようとするのだろうか。無論、これは高度に政治的な問題であるから、ぼくなんかには答えられない案件だ。
 万一宴席かなんかで聞かれたら、「ぼくは東京都の尖閣諸島購入問題で飲み会2回分の寄付をしました」と言ってごまかすしかない。
 いやまてよ。中国の科学技術水準は凄い、もうすぐ国を抜く、中華民族は世界一優秀だと「褒め殺し」をしておいたほうが日本の国益に叶うかもしれない。(2012年6月30日、寺岡伸章)

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