「若者はもはや東京に憧れない」

 映画「ふるさとがえり」の鑑賞会を終えた後で、その映画の脚本家の栗山宗大氏と話す機会に恵まれた。この映画は、平成の大合併で誕生した岐阜県恵那市(13市町村が合併)が地域の一体感を生むために企画されたものだった。栗山氏によると、アポもなしに自治体職員が持ち込んだ企画だったという。2005年のことである。

 それから6年半「市民参加型」の映画づくりが模索された。恵那市をロケ地にして、どのようなコンセプとの下で何を訴える映画を作るか熱い議論が戦わされたという。それから6年半後の2011年3月完成予定だった。しかし、3.11大震災の影響で1ヶ月遅れての完成。ほとんどの市民がなんらかの形で参加し、製作費は普通の映画の十分の一の3,600万円で済んだ。

 運命のいたずらか、大震災の影響で「ふるさと」を見直す契機になり、大ヒット。特に、福島県では、2時間15分の長い映画であるにもかかわらず、子供から高齢者までが最後まで熱心に鑑賞しているという。全日空の国際線での上映も決まった。

 映画は田舎で楽しく遊ぶ12歳の「ボク」と東京で映画監督を目指す32歳の「僕」の交流の物語だ。人生にとって、人にとって大切なものとは何かと問いかけている。鑑賞者の9割以上は泣けるという映画だ。

 1978年生まれの栗山氏を囲む懇談会で、彼が意外なことを言っていた。
「夢を実現するために東京にやって来たのは40歳代後半から上の世代だ。それから若い世代は地方の大学に通って、地方で仕事を探すようになっている。東京は空気は悪いし、ラッシュアワーで家賃も高く、子供を育てる環境も悪い。若者にとって東京はすでに魅力的な場所でなくなった」

 3.11大震災は国民の意識の変化を加速させたにちがいない。東京は若者を惹きつける街ではなくなっているのだろう。少なくとも一生を過ごしたいと言う人は減っている。
 地域分権や道州制を阻止しようというのは、時代から取り残された人々と一部の既得権益者なのだろう。

 なお、映画公式サイトは、http://www.hurusatogaeri.com です。(2012年6月30日、寺岡伸章)

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