やる気さえあれば無農薬稲作は可能だ

 今日、埼玉県富士見市の柳下さん農家に出かけた。NPO農商工連携サポートセンター主催の農業体験研修に参加するためだ。都心から集まった約40人が一緒になって、1ヶ月前に手で植えた稲の草取りをやった。稲は30~40センチに成長していた。水田に入って、手で雑草をむしり、それを水田の泥に埋めるのである。雑草は腐敗し、堆肥となる。また、大勢の人が水田に足を踏み入れることで、土がかき回され、新鮮な空気を送り込み、善良な微生物の活動を活発にするというわけだ。

 無農薬稲作をやろうとすると、手間がかかるが、美味しくて安全なコメを収穫するためには仕方がない。1万平方メートルの水田の草取りは1時間余りの作業で終わった。小雨の降る、あまり熱くない天気にも助けられて、苦も無く作業を終えた。

 周りの水田はと言えば、田植えは機械で行われ稲が整然と並んでいて、除草剤を撒いているため雑草が生えていない。一見して不自然な稲作と分かる。
 我々が手で植えた水田の稲はジグザグになっていて、個性的で人間的だ。柳下さんは近くの農家から「お宅の田植え機は故障したのか?」と心配されるそうだ。雑草がなくなった水田は散髪したようなスッキリした顔になった。

 参加したメンバーは満足した顔を浮かべている。わたしも初体験だったが、いい勉強になった。家内にはお百姓さんらしい雰囲気が出てきたとからかわれる。でも、悪い気はしない。産業は1次、2次、3次と発展すると学校で教えられたが、そのような常識も疑わしくなった。本当は1次産業のほうが人間を豊かにするのかもしれない。

 3.11大震災以降、人々の意識や価値観が変わろうとしている。当然のように目の前にある安全で美味しい食料が今後もそこにあるとは限らない。お百姓さんの労働を経験することで、食料の有り難味が増す。

 化学肥料や農薬を使わない自然な農業に戻るべきだ。お百姓さんのお手伝いを少しすることで、達成されるのかもしれない。職業の壁を取り払おう。お互いが労働を経験することで、物の見方が随分と変わる。やはり、交流は大切だ。見知らぬ人と交流し、理解し合うことで、生きた知識が増えていく。

 3ヶ月後、稲刈りのために柳下農家を再訪する。頭を垂れた稲穂を鎌で刈り取るのだ。機械にも農薬にも頼らなくてもみんなが少し力を出し合うことで、美味しいコメが得られる。水と太陽から食料が収穫できるのだから、自然は偉大である。当たり前のことが奇跡のように感じられるのだ。(2012年7月1日、寺岡伸章)

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