尖閣問題の影響はどこまで広がる?

 個人的なことで恐縮だが、8月下旬、中国外交部外郭団体主催のセミナーで、「中国のイノベーション政策の光と影」の講演を行う予定になっていたが、気になり準備状況について問い合わせたところ、「日中関係の緊張」などの理由で先送りになったという回答が来た。「先送り」という表現になっているのは、私に対する心づかいであり、実質的に「中止」である。中国人に「先送り」と言われて、それではいつに開催する予定かと聞くと野暮な奴と思われるので注意が必要だ。
 じつは、今年6月、JICAが主催している行政官向け留学のレセプションで、中国で一番有名な日本人の加藤嘉一氏の講演が予定されていたが、「日中関係の緊張」を理由に中止になっている。

 中国政府は、東京都の尖閣諸島購入問題に相当神経質になっている。「日中関係の緊張」というのは中国側の認識であって、日本側はそれを共有していないために、意外な感じを受ける。中国政府は、講演会などの日中共同イベントを中止させることにより、中国人は尖閣問題で怒っているというメッセージを日本側に伝えたり、あるいはそれにより日本国内から日本政府に対する圧力を増加させようというのが作戦だ。

 私の場合、とくに困るわけではないし、日本政府に抗議するつもりもないから、中国側の目論見は外れに終わる。セミナーでは、中国のイノベーション政策の光と影について話をすることにしていたが、質問が日中関係に及べば、「私も尖閣諸島講演のために東京都に寄付をしました」と言おうとしていたが、それを中国政府がこのブログを通じて察ししていたために、「危険人物」としてキャンセルにしてきたのかもしれない。これは考え過ぎだろうか。

 そもそもこのセミナーでの講演を受けた時から、「この講演は流れる可能性が高いな」と心が騒いでいたのだが、その予測が当たった格好になった。自慢するわけではないが、私のマイナスイメージの予想は結構当たる。最近では、中国の未来は決して明るくないというイメージが頭の中に浮かんで来て、消えようという気配がない。昨今発表される中国経済統計は悲観的なものばかりだ。
 中国人は金持ちでさえ、将来に大きな不安を抱いている。そのような感情は意外と現実の先ぶれになっているものなのだ。(2012年7月14日、寺岡伸章)

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