中国の科学技術のトピックス


1. 中国人国籍の自然科学部門のノーベル賞受賞者はゼロ。中国、韓国にとってノーベル賞受賞は悲願。

2. 中国人有人飛行の船外活動で最初にやったことは中国国旗を振ったこと。国威発揚。メンツ重視。生中継で五星紅旗を見た多くの中国人は歓喜のあまり、泣いたのではないか。

3. 原発は積極推進だ。運転中15基で1200万キロワット。建設中は26基で、2020年に60基で7000万キロワットになる計画。ただし、東電福島事故を見た、中国首脳はもし中国内陸部で同様の事故が起これば、穀倉地帯は放射能で汚染され、中国人はパニックに陥り、中国体制は崩壊すると震撼したのだろう。内陸部に建設する原発は過酷事故でも放射能を放出しない安全な第三世代原子炉に限定することを決めた。第三世代原子炉は海外では開発済みのため、まず海外メーカーから導入する。同時に、国産の第三世代原子炉の開発も急ぐとしている。

4. 自然エネルギー投資は米国を抜いて世界一。石油資源が枯渇に向かう中で、原子力と自然エネルギーの開発に国の命運をかけている。

5. 論文捏造、コピー論文、ゴミ論文(一度も引用されたことのない論文)は政府の頭痛。

6. 「中国は世界の工場」という表現は間違いで、「世界が中国を工場にしている」と書いたほうが正確。

7. 改革開放以来、130万人が海外に留学し、帰国したのは30万人。100万人の知識人が海外に移住。中国にとってはたった100万人の頭脳流出はたいしたことはない。人口を増やせば、頭脳も再生産されるからだ。

8. 2015年が中国人口のピークとの学説がでた。「人口ボーナス」による高度経済成長は終焉するかもしれない。そうなれば、人件費が高騰し、海外企業は海外脱出か。中国の労働集約型産業の優位性の終焉は意外に早いかもしれない。

9. 中国企業は短期のリターンを求めるため、研究所を作ったり、研究開発に投資したりしようとしない。その代わり、大学に委託研究費を支出して、製品の開発を行わせようとする。

10. 中国人はモノマネは得意。日本で新製品が発売されるとすぐに海賊版が出る。イノベーションは頭を使うからやりたがらない。イノベーションよりも金儲けが優先。

11. 世界の原発の圧力容器(円筒状をした鋼鉄の構造物)の製造技術では日本がトップ。しかし、価格では韓国が有利。この分野でも韓国が立ちはだかる。

12. 中国でモノマネが多いのは。特許侵害の賠償金がロリヤルティ(特許使用料)よりも低いからだ。自分で開発するよりもモノマネの方が得するという構図。中国は知的財産権侵害に関する外国政府との交渉では、取り締まりを強化すると約束するが、事態の好転は見られない。本気でやる気があるのか!

13. 中国では大気汚染、食品汚染などの研究を当局の許可なく行うことはできない。学者に研究の自由がない。

14. 外国で博士号を取得するのは、海外の方が研究レベルが高いと言うだけでなく、海外で学位を取得した方が「給与」が高いという理由のためだ。中国人は経済的観点(カネ)に実に敏感だ。

15.ハードは強いがソフトは弱い。スパコンのスピード競争で、ソフトウェアが弱いため、ハードが持つ能力を十分に発揮できない。実効性比率が実に低い。

16.メンツ重視のため、目立つ派手な研究や流行的な研究に科学者が群れたがる。地味な基礎研究が無視され、学問の蓄積がなされない。

17.NHKのプロジェクトXのような苦労して製品開発を成し遂げ、世の中に貢献したような物語は中国人には受けない。中国人が好きな物語は、最後に「英雄」や「社長」になる物語だ。英雄色を好む。


18、日本のこれからの強みは環境ビジネス。浄水技術など環境汚染除去技術で中国企業よりも優位に立てる。美味しい水の輸出も有望かもしれない。

19.中国は論文数で日本を上回る。論文の被引用件数でも中国は日本を上回っている。中国人は同国人の論文の引用が多いのがその原因だと思われる。中国人は研究者も、もたれ合って生きている。

20、日本は論文数でも被引用件数でも国際的に漸減している。政府支出の研究費が減少しているためと考えられる。国立大学の規制緩和、すなわち民営化も議論の俎上に上って来よう。

21.中国では、政治的な観点から方向性が定められ、すでに結論ありきの課題について、それを補強する研究を行う。
 例えば、先進国によって地球上に蓄積されたPTS(残留性環境汚染物質)が地球温暖化によって蒸発し、地球環境を循環して汚染を撒き散らすと中国人研究者は主張する。実際は、PTSは土壌を汚染し、海底の泥の中に埋まるのだが。

22.日本は閉鎖的なクルーズドイノベーション。自分で開発し、商品化しようという傾向が強い。国内外の企業の技術を売買しながら、製品化するという習慣がない。また、日本人は技術開発が重視され過ぎるために、技術はいいが商品化されても価格が高く競争に勝てない。技術のガラパゴス化。日本は匠の文化だ。
 一方、中国企業はオープンイノベーションの時流に乗る。中国人は商品開発が目的で、技術開発はその手段。中国人が自ら開発した商品はほとんどない。中国は商人の文化だ。

23.中国のイノベーション政策は「垂直分裂」だ。世界中から廉価で性能の寄り部品を集めてきて、それを安い人件費で組み立てるやり方だ。パソコン、テレビ、携帯電話などはこのようなモジュール化のやり方で商品化し、世界に向けて輸出してきた。
 日本企業は技術レベルは高いが、人件費が高いため、モジュール化が進むと不利。日本企業が強いのは、クルマ、カラーコピー、デジタルカメラ、複雑な工作機械など部品の数が多く、「摺り合わせ」という微妙な調整が大事な製品だ。
 中国政府はクルマも、エンジンを含めて世界から部品を集めてくれば、モジュール化ができ、優位に立てると考えている。部品数の多い内燃機関のクルマではモジュール化が可能かどうか見通すことは難しいが、部品数の少ない電気自動車ではモジュール化は可能かもしれない。そうなると中国は自動車産業でも世界を制するであろう。本当に起きたら怖い。

24.日本はかつて太陽光パネル発電技術では世界トップの技術力を有していたが、いまは中国製が世界でもっとも多い。エネルギー効率を上げるための技術革新が起こりにくい分野のため、技術力よりは材料費の価格で製品の競争力が決められてしまうためだ。
日本企業による技術のブレークスルーが期待されるところだ。頑張れ、日本企業の技術者たち。

25.対中国技術戦略は何か。日本は優れた「技術」を持ち、中国は「市場」、「資金」、「人材」を持つ。これらの補完関係がうまくできれば、日中は共存の可能性がある、しかし、そのための前提は、中国が知的財産権を守ること、つまり日本の技術に対して対価を支払うかどうかだ。それができなければ、日中両国の歩み寄りは難しい。

26.中国の3人乗り深海潜水艇「蛟竜号」が15日、太平洋のマリアナ海溝で水深6671メートルの潜水に成功し、日本の有人潜水調査船「しんかい6500」が持つ6527メートルの潜水記録を抜いた。中国は宇宙船のドッキング実験成功とともに、中国科学技術のレベルを誇示した。内政問題を抱える中国は国民に希望と自信を与えるために国威発揚プロジェクトをやっている。(2012年6月21日、寺岡伸章)

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